来週12日インパラ・プラチナム、14日アングロ・アメリカ・プラチナとAMCUの協議開始・・
- 2016 07/09 (Sat)
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本日のNY白金は、5.1ドル高の1100.2ドルで終わっている。週末の夜間取引から比べ月曜日の寄り付き換算は11円高(8月限)と予想する。
注目された6月の雇用統計では、5月の非農業部門就業者数が3.8万人増で大幅低下した事を受けて、FRBが示す利上げ観測が後退した背景も加わり注目された伸び率は、事前予想の18万人増に比べ28.7万人増と大幅な伸びを見せている。
また5月の大幅に減少した非農業部門就業者数の3.8万人増から1.1万人増と更に下方修正されている。特に大幅な雇用改善を示し市場では米国経済に対する楽観的な見方が膨らみ、NYダウ平均は250ドル高と大きく反発している。
特に英国の国民投票でEU離脱が将来確定的となり、5月のFOMC議事録でも英国の国民投票に配慮した背景が存在していることを考えると、早期の利上げ観測は後退しており、米国経済の安心感がリスク緩和に結び付いた状況でないか。
また非農業部門就業者数の5月、6月の平均では15万人増であり、この数字をもって7月のFOMCでの利上げの根拠にはならないと予想される。
そのため債券市場では、依然と安全資産である米国債に資金が流れており、長期債である10年物国債金利は低下し1.36%で推移している。為替市場では、雇用統計を受けて一時101.23円の水準まで円安が進む動きを見せたが、来週の英国中銀の金融政策決定会合で緩和策の期待が存在しており、ポンドは対ドルで売られる動きを見せるなど、対円でも円高の動きを示している。
貴金属は、雇用統計の改善を受けて金価格は一時大きく反落したが最終的には買い戻しの動きを示している。白金価格は金価格と違い下値は限定的であったが、終盤は1100ドルを回復して終わっている。
南アフリカでは、来週からAMCUと大手プラチナ鉱山3社との賃金交渉が開始される。12日のインパラ・プラチナム、14日はアングロ・アメリカ・プラチナと協議を開始する予定である。AMCUは最低賃金8000ランドを12500ランドへ賃上げの要求を求め、全体としては15%の値上げ要求となる予想である。
しかしロンミン社やインパラ・プラチナムは経常赤字であり、大幅な賃上げ要求はリストラ策に繋がると警告を示している。
本日のNY白金は、日足で5月の高値1092.3ドルを上回り、1101ドルまで買われる動きを見せており、8日間連続で陽線を続けている。ただ高値に対する伸びは低下しており、高値警戒の動きが強まる可能性も秘めている。
テクニカルでは、相対力指数やストキャスティクスは上昇を示しているが、伸び率は低下しており目先調整安の反落には注意が必要である。RCIでは、短期が+100%まで上昇し、中期は+86%で上昇が止まりだし、長期も+43%で上昇している。移動平均線は10日移動平均線が1140.5ドルで上昇し、40日移動平均線は1009.9ドルで横ばいした動きを示しており、買われ過ぎに乖離幅が拡大した状況である。そのため10日移動平均線を迎える時間が必要であり、1100ドルの達成感から上昇は一時的に止まる確率が高い。
週明けの東京市場は、英国のEU離脱を材料にFRBの利上げ観測が後退した状況下で、雇用統計の改善から米国経済の対する楽観的な見方が高まり、リスク緩和に伴い買われる動きを見せて来ると予想される。そのため目先の高値3530円を上回る事が出来るかに注目したい。
特に下げ渋る値動きにテクニカルの買いの域から考えて、今しばらく高値追いの動きが続くと予想される。ただ非常に短時間で上昇を続けており、突発的な反動安に注意は必要でないか。そのため3550円以上の新規買いは見送る事が妥当と判断する。
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